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ヴァロットンー黒と白展 @三菱一号館美術館
2022年12月01日 (木) | 編集 |
来年1月29日(日)まで、東京駅近・丸の内の三菱一号館美術館で、
ヴァロットンー黒と白展が開催中です。



世界有数のヴァロットン版画コレクションを誇るこの美術館で、
約180点の木版画が初公開されています。

CHAPTER1「外国人のナビ」では、今では珍しく貴重な
ヴァロットン初期の秀逸な作品が並びます。
最初に、家族や知人や敬愛する巨匠の模写等の展示があり、
次に、初期の木版画が展示されています。
粗い線描で、過去の敬愛する人物や山並み等が描かれています。



ここには、「1月1日」という作品の版木も展示されています。
版画は価値が下がらないように刷られる部数は限定的で、
それ以上刷れないように版木は破棄するのが基本だったそうです。
たまたま版木が残った稀なケースで、希少な展示なのだそうです。



CHAPTER2「パリの観察者」では、一般群集のリアルな描写や、
社会暗部の事件が、皮肉やユーモアたっぷりに描かれています。
この頃から初期とは異なる斬新なフレーミングや単純化等が始まり、
ヴァロットンの木版画に独自の境地が切り開かれていったようです。
※一展示室のみ、撮影可



CHAPTER3「ナビ派と同時代パリの芸術活動」では、木版画で
時の人となったヴァロットンが、遅れてナビ派入りした頃の
作品が展示されています。
白と黒の対比をうまく生かした装飾性があり、その作品を見ると
確かにヴァロットンがナビ派の一員だということも頷けます。
しかし、多くの画家が多色刷りの石版画を採用したのに対し、
ヴァロットンは<黒一色の木版画>にこだわり続けました。



CHAPTER4「アンティミテ : 親密さと裏側の世界」では、
黒と白のコントラストを生む、アラベスク効果の高い秀作があります。
希少性の高い連作アンティミテをはじめとしたこのCHAPTER4が、
最もヴァロットンらしい作品集と言えるかも知れません。



CHAPTER5「空想と現実のはざま」では、第一次世界大戦により、
連作〈これが戦争だ!〉等の秀作が生まれました。
後半生、葛藤や健康状態悪化に苦しんたヴァロットンにとって、
これが戦争だ!は、悲劇的な現実へのマニフェスト作品です。



同時代の画家、ロートレックとの対比特別関連展示もありました。



この展覧会は木版画主体なので、作品自体は黒と白の色彩ですが、
展示方法等が工夫されていて、最後まで楽しく鑑賞出来ました。



この冬オススメの、粋でお洒落な展覧会です。
昼間の来館は勿論、夜景も綺麗なので夕刻の鑑賞もお勧めです。

なお、ミュージアムショップも充実しています。
モノトーンの、小粋で実用性の高いグッズが豊富に揃っています。



※本記事内写真は、撮影OKの一室を除き、
 ブロガー内覧会時に特別な許可を得て撮影しています。

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💛美術展情報

☆ヴァロットンー黒と白展

会期:2022年10月29日(土) 〜 2023年1月29日(日)
    休館日:月曜日、12月31日、1月1日
    ※但し、10/31、11/28、12/26、1/2、1/9、1/23は開館
開館時間:10:00〜18:00
    ※入館は閉館の30分前まで
    (金曜日と会期最終週平日、第2水曜日は21:00まで)
会場:東京・三菱一号館美術館
美術館URL:https://mimt.jp/

☆美術展の詳細については、美術館サイトをご覧ください。

長文を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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